「ノルマ」というものは当然発生する
仕事をする以上、「責任」というものは必ずついてまわります。企業は収益を上げる必要がありますから、最終的にはそれについて関係する責任です。
もしも直接売り上げを出すような部署に配属されているならば、その売り上げに対して責任が発生するのは仕方のないことだといえるでしょう。直接商談して売り上げを出すような仕事なのであれば、その責任数字を「ノルマ」と呼ぶことが一般的です。売り上げノルマということです。
それは企業自体も掲げているノルマです。企業が掲げている「事業計画」は、銀行やその他の融資先に対して提示した「責任」ということになります。その計画を達成させるために、各部署に責任数字が割り振られ、さらにそれが「課」や「チーム」、そして個人に細分化されていくものなのです。個人に課せられた「ノルマ」というものは、企業全体が掲げた社会的責任を果たすために個人に割り振ったものなのです。そして、その組織に在籍している以上は、そのノルマを如何にしてクリアするのかということを考えるのが、組織に所属している「責任」ということになるのです。それが、いくら実現が困難に見える数字であっても、それに向かって全力を尽くすのが、「社会人」なのです。
企業は常に「利潤」を追い求めなければいけない存在です。そして、その企業に所属する以上は、自分の人件費もその組織にとっては「コスト」であるということです。「コスト」を補うためには余りある「売り上げ」が必要であり、売り上げを担保するのは各事業なのです。コストのかからない事業などというものは存在しません。必ずコスト、それを売り上げから差し引いたものが「利益」というものなのです。
その枠組みはどのような会社でも変わることはありません。どのようなことを仕事にしているのか、どのような業界でビジネスを展開しているのかということで、そこにいる従業員のワークスタイルは変わってくるのですが、どのような仕事をしていても、「売り上げとコスト」の考え方には変わりがありません。ですから企業のなかで、組織の中で、「売り上げを出す人」、「アベレージより売上金額が高い人」のような人材が重用されるのも頷けるハナシではないでしょうか。その人がいれば、その人が舵を握れば、組織としての稼ぎが良くなるのであれば、そうするべきなのです。
そのようにして結局従業員を一労働単位として捉えるのであれば、その人個人での収支を考えるしかありません。直接売上を出す部門はプロフィット部門と言いますが、プロフィット部門だけでは会社の体制が整わないというのであれば、営業を支援する間接部門も併設されます。プロフィット部門はそれらの支援してくれる部署のコストも抱えることになり、ただ部署として黒字であればいいというわけにはいかなくなります。
それが「企業」というものです。自分がもらっている給与は、組織にとっては「コスト」であるということなのです。